女性にこそケトルベルトレーニングがおすすめな理由

  • 最近YouTubeでケトルベルをよく見るけど、女性でも使えるのかな?
  • ケトルベルって、筋肉質な男性向けだよね?
  • ケトルベルトレーニングは格闘家が好んで行っているイメージがあって怖い・・・
  • ケトルベルはアスリート向けだからシェイプアップが目的の私には合わない?

もし、あなたがこう思っているなら、ぜひこのブログを読んで下さい!

きっと、ケトルベルトレーニングのイメージが変わり、やってみたくなるはずです。

今回は「女性にこそケトルベルトレーニングがおすすめな理由」をお話しします!

まずは男性と女性の身体の違いを知ろう

ケトルベルトレーニングがなぜ女性にこそおすすめなのかをお話しする前に、

男性と女性の違いについて、

  1. 骨格と体格
  2. 性腺ホルモン
  3. 筋肉量と体脂肪量
  4. 筋肉がつきやすい部位
  5. 体脂肪がつきやすい部位
  6. トレーニング効果のあらわれ方

トレーニングに関係する6つのポイントに焦点を当てて、知っておきましょう。

1.骨格と体格の違い

骨格と体格について、男性と女性で大きく異なるポイントは2つあります。

  • 骨盤の大きさと形
  • 関節の「ゆるさ」と身体の柔軟性

骨盤は女性の方が比較的大きく、産道のために骨盤腔も広くなっています。

身体の柔軟性は、個人差がありますが、一般的に女性の方が柔らかく

靭帯や関節包といった組織が「ゆるい」と言われています。

これは、女性ホルモンのエストロゲンが影響しているそうです。

2.性腺ホルモンの違い

性腺ホルモンの働きの違いも重要です。

男性はテストステロンという男性ホルモンが、

女性はエストロゲンという女性ホルモンが、

それぞれ精巣・卵巣から分泌されます。

テストステロンは筋肉を強く大きくする作用を持っています。

エストロゲンは卵胞の形成を促進したり、骨を強くする作用があります。

3.筋肉量と体脂肪量の違い

性腺ホルモンの働きの違いは、筋肉量体脂肪量の差となってあらわれます。

テストステロンの作用により、男性はがっしりとした筋肉質の体型になり、

エストロゲンの作用により、女性は全体的に丸みを帯びた、ふくよかな体型になります。

4.筋肉がつきやすい部位の違い

性腺ホルモンの働きは、筋肉がつきやすい部位にも影響を及ぼすようです。

男性の場合、がっしりとした上半身を形作る、僧帽筋や三角筋など肩周りの筋肉が、

特にテストステロンの影響を受けやすく発達しやすいそうです。

女性は、一般的に上半身の筋肉はつきにくいです(個人差があります)。

興味深いことに、大腿四頭筋や大殿筋、ハムストリングなど、

下半身の筋肉のつきやすさについては、大きな性差はないと言われています。

5.体脂肪がつきやすい部位の違い

性腺ホルモンの働きは、体脂肪がつきやすい部位にも影響します。

男性は内臓脂肪がつきやすく「リンゴ型」の肥満体型になり、

女性は皮下脂肪がつきやすく「洋梨型」の肥満体型になると言われています。

内臓脂肪も皮下脂肪も、増え過ぎれば健康を害しますが、

より病気になるリスクが高いのは内臓脂肪です。

脂肪肝や動脈硬化症などの内科疾患につながりやすいので、

男性は「体脂肪率は低めだから大丈夫」と油断せず、内臓脂肪レベルもきちんと把握することが大切です。

6.トレーニング効果のあらわれ方

トレーニングに対する筋肉の反応も男女で差があるようです。

男性は筋肉がつきやすいので、外から見て明らかに体格が変わってきます。

扱える重さもどんどん増えていくので、トレーニングが楽しく、モチベーションが維持しやすいです。

一方、女性は男性と比べて外見上「筋肉がついた!」と実感しにくいのが一般的です。

トレーニング効果は、外見の変化よりも「筋肉の質が良くなる」という形であらわれるようです。

体重計メーカーで有名なTANITAは「筋質点数」という表現を使って、

筋肉の状態を数値化し、評価しやすくしています。

筋質点数が良くなると、筋肉が占める割合が増えたことを意味します👇

TANITAの筋質点数
TANITAの「筋質点数」

もちろん、男性の場合もトレーニングにより筋肉の質が良くなると考えられますが、

筋肉のボリュームが大きくなりやすいので、外見の変化の方がトレーニング効果を評価しやすいと思います。

トレーニングが習慣化している女性が体組成計で測定し、

外見はそれほど変わってないけど筋肉量が増えた」という場合は、筋肉の質が向上しているのだと思います。

男性も女性も同じトレーニング方法で良いの?

ここまで、トレーニングに関する男性と女性の違いについて解説しました。

これだけ相違点があるのに、フィットネスクラブやパーソナルジムでは、

男性も女性も同じ方法でトレーニングしていることが多いのは、なぜでしょうか?

男性も女性も同じトレーニング方法で良いの?」という疑問が出てきましたね。

女性に重さをどんどん増やしていくトレーニングは不向き

最近はパーソナルトレーニングが身近なものになりました。

一度はパーソナルトレーニングを受け、ウエイトトレーニングを経験された方も多いと思います。

ほとんどのパーソナルジムは、お客様の性別に関わらずウエイトトレーニング中心のプログラムを処方しているように思います。

こういった背景から、「筋トレ=重たいバーベルやマシンを使う」というイメージが定着しつつあります。

この方法は、筋肉がつきやすい男性には楽しく続けられる方法ですが、

筋肉が男性より発達しにくい女性にとっては

なかなか重さを増やせないので、成長している実感が湧かず、長続きしないようです(-ω-;)

重さをどんどん増やしていく筋トレは、女性には不向きなケースが多い。

目的達成のために効率が良い方法を選ぼう

結論から言うと、

その人の目的を達成するために、そのトレーニング方法が効率が良いなら、性別は気にしなくて良い」と思います。

例えば、コンテストに出場することが目的の女性なら、筋肉を積極的に大きくしたいので、

男性と同様、重さを増やしていく筋トレが効率的です。

スポーツパフォーマンスを向上させたい女子選手にとっても、基礎筋力はとても重要なので、

スクワットやデッドリフトなどベースとなるエクササイズの重さを積極的に増やすべきです。

アスリートは積極的にウエイトトレーニングの重さを増やすことも大切。

しかし、

あなたの目的がダイエットシェイプアップだとして、

重さをどんどん増やしていくトレーニング方法が、あなたの目的を達成するために効率が良いと思いますか?

筋肉をつけることは大切。でも・・・

積極的に筋肉量を増やすことは、基礎代謝を上げ、消費エネルギーを増やすことにつながります。

ダイエットやシェイプアップが目的の方にとっても、筋トレはとても大切です。

しかし、どんどん重さを増やす方法は、男性には有効ですが、女性には不向きだと思います。

なぜなら、先に述べたように、男性と女性では身体的に異なる点が多いからです。

男性と比べて、女性は骨盤が広く股関節周りの靭帯がゆるいので、

高重量のスクワットやデッドリフトなどは腰や股関節、膝を傷めるリスクが高くなります。

肩や肘、手首など上半身の関節も同様です。

結果を出すためには、怪我を避け、安定したペースでトレーニングを継続する必要があります。

筋肉を効率良くつけることができる方法でも、怪我ばかりしていては本末転倒です。

やはり、女性は「女性の身体的特徴に合ったトレーニング方法」を選ぶべきだと思います。

シェイプアップにはHIITがおすすめ

シェイプアップ効果が高く、さらに重さに頼らずに運動強度を高めることができるトレーニング方法があります。

それはHIITです。

HIITは、高強度インターバルトレーニングのことで、

異なるエクササイズを、短い休憩をはさみながら次々とこなしていくトレーニング方法です。

短時間で心拍数を効果的に高められ消費カロリーを増やすことができますし、

ケトルベルやダンベルを使えば、筋トレと有酸素運動両方の効果が期待できます!

HIITについて詳しく知りたい方はこちら👇

ケトルベルはHIITとの相性抜群!

ケトルベルはHIITとの相性が抜群です!

その理由を、

  1. 短時間&高回数でシェイプアップ効果が高い
  2. 全身の筋肉を使うエクササイズが多い
  3. 高い心拍数を維持しやすく消費カロリーUP
  4. 筋トレと有酸素運動両方のメリットを得られる
  5. 「遠心力」で軽いケトルベルでも高強度トレーニングが可能

5つのポイントに絞って解説します。

ケトルベルとHIITは相性抜群!シェイプアップ効果が絶大だ!

1.短い時間に高回数でシェイプアップ効果絶大

ケトルベルトレーニングは、ケトルベルを振り上げて、戻ってくる反動を巧みに使って素早く切り返します

例えば、股関節を素早く切り返してケトルベルを振るスイングは、

1分間休まず行うと、約40回もできます。

20kgのケトルベルを40回スイングしたすると、

単純計算で約800kgもの「仕事量」を大殿筋・ハムストリング・広背筋など背面の筋肉にかけることができます。

このボリューム(仕事量)が筋肉を大きくし、同時に高いシェイプアップ効果ももたらしてくれるのです。

2.ケトルベルトレーニングは全身の筋肉を使うエクササイズが多い

ケトルベルエクササイズは全身の筋肉を同時に使うエクササイズが多いのも、

ケトルベルの魅力の1つです。

例えば、クリーン&プレスというエクササイズの場合、

クリーンで股関節周りの筋肉を、プレスで上半身の筋肉を使います。

スナッチなど爆発的な動きを伴うエクササイズは、全身を連動させてケトルベルを振り上げます。

同時にたくさんの筋肉を使うということは、消費エネルギーが大きいことを意味します。

シェイプアップのためにはカロリーをたくさん消費できる方が望ましいので、

ケトルベルトレーニングはシェイプアップ効果が高いのです。

ケトルベルトレーニングは全身の筋肉を同時に使うエクササイズが多い。

3.高い心拍数を維持しやすい

ケトルベルトレーニングは、反動を巧みに使って、短時間で高回数ケトルベルを振るので、

心拍数を効果的に高めることができます。

心拍数は、運動強度を客観的に測ることができる指標です。

心拍数が高くなるということは、運動強度が高いことを意味します。

そして、高い心拍数は、高い消費カロリーを意味します。

僕自身も、トレーニングの時にPolarの心拍センサーを装着し、心拍数をオンタイムでチェックしています。

実際に、ケトルベルトレーニングで驚くほど心拍数を高くすることができます👇

Polar 心拍数の推移
高い山になっている所がケトルベルトレーニングをしている時の心拍数をあらわしている。

過大評価ではなく、本当に外で50mダッシュを何回も繰り返している時と同じくらい心拍数が上がるのです。

さらに、高まった心拍数を高い水準のまま維持することができます。

僕の場合、約40分のトレーニングで消費カロリーが約500kcalにもなります(年齢・性別・身長・体重などにより個人差があります)👇

Polar トレーニングサマリー
ケトルベルトレーニングなら約40分のトレーニングで、500kcal近くも消費できる!

4.筋トレと有酸素運動両方のメリットを得られる

ケトルベルをHIITに組み込むことで、筋トレと有酸素運動両方のメリットが期待できます。

最近流行っているボクササイズやダンス系のエアロビクスは、

体脂肪を燃やす有酸素運動としての効果は高いですが、筋トレにはなりません

特に、女性が気にする背中やにのうでのシェイプアップ効果は望めません。

なぜなら、筋肉をつけるためには、日常生活以上の負荷をかける必要があるからです。

少しずつ負荷を上げていかなければ、筋肉は成長しなくなってしまいます

これを「順応」と言います。

一方、一般的な筋トレは、10回くらい行っては1~2分休憩をはさむため、有酸素運動の効果はありません

筋肉を効率良く大きくできる反面、体脂肪を燃やす効果は低いため、

筋トレの後にウォーキングなどをする人が多いですが、忙しい方にとって現実的ではありませんね。

ケトルベルトレーニングとHIITを組み合わせれば、

筋肉を強く大きくしながら、同時に体脂肪を燃やす有酸素運動の効果も期待できます

実際、フィットメイトに通われた多くのお客様がこの方法で効果を実感されています。

参考動画

5.「遠心力」で軽いケトルベルでも効果大

ケトルベルトレーニングの最大の特徴は、ケトルベルの形状が生み出す「遠心力」です。

ケトルベルを振り上げることで遠心力が生まれ、

実際の重さの2倍以上の負荷が、体幹や身体の背面の筋肉にかかります。

この遠心力のおかげで、軽いケトルベルでも運動強度が高くなり、心拍数が上がるのです👇

スナッチはケトルベルを頭上まで振り上げるから、スイングより大きな遠心力が生まれる。

ケトルベルには、女性にとって嬉しいメリットが他にもあります。

背中&ももうら&ヒップの引き締めに最適

  • 最近背中のたるみが気になるけど、背中って鍛えるのが難しい
  • ヒップアップしたいけど、デッドリフトは腰が不安で苦手だな
  • ももうらのシェイプアップがしたいけど、デッドリフト以外のバリエーションが知りたい

実際に体験レッスンに来られる方に希望を聞くと、こんな要望をいただきます。

これらのニーズにばっちり答えてくれるのが、ケトルベルトレーニングです!

スイングの正しいフォームをマスターすることが前提ですが、

ほとんどのケトルベルエクササイズは、ケトルベルを振ることで股関節周りの筋肉を使います👇

肩甲骨は常に引き締めておこう。視線は斜め下を見て、膝は曲げすぎないようにするのがポイントだ。

ケトルベルを持つグリップは、膝の高さより下にはいかないため、身体の前傾はデッドリフトより浅くなります。

腰に不安がある方でも、デッドリフトより安心して行えるのです。

また、スイングのフォームは広背筋など身体の背面の筋肉を使いやすい形なので、

股関節周りの筋肉に加えて、背中のシェイプアップ効果も高いです。

どうしても背中の筋肉が意識できないという方は、

神経筋促通(Muscle-Mind Connection)」という筋肉を意識するための練習が必要です。

エクササイズチューブや軽いダンベルを使って、背中の筋肉にじっくりと負荷をかけ続けるトレーニングを積めば、

少しずつ意識しづらい背中の筋肉も使えるようになってきます。

ここまで、なぜケトルベルトレーニングがHIITとの相性が抜群なのかを解説してきました。

ここからは、「効率良くシェイプアップするための工夫」について少しお話しします。

効率良くシェイプアップするためのアドバイス

限りある時間と体力をできる限り有効に使い、きれいな体型と健康的な身体を作り、維持したいですよね。

低コストに収められらば、尚良いですね(^.^)

ケトルベルは自宅トレーニングに最適です。その理由をまとめると、

  • 大きなスペースをとらない
  • 騒音たてにくいのでマンションなどでも気軽に行える

自宅でトレーニングができれば、ジムに行く必要がないので、時間をぐっと節約できます。

トレーニングのためにたくさんの時間を割く必要がないので、トレーニングの頻度を増やすことができます。

トレーニング頻度を増やそう

トレーニングの頻度を増やすことのメリットは3つあります。

  1. 代謝が高い状態を1週間を通して維持できる
  2. 筋肉のコンディションが良くなり、トレーニング後の筋肉痛が軽くなる
  3. 体内でホルモンの活性が高まり、筋肉がつきやすくなる

1つ目のメリットがシェイプアップと深い関係があるので、これに絞って解説します。

トレーニングの後は代謝が高くなる

トレーニングにより筋肉を激しく使うと、筋肉は熱を持ちます。

筋肉の中に蓄えられているグリコーゲン(糖質)が使われることで、筋肉が熱を発するのです。

この効果は、トレーニング後少なくとも24時間は維持されると言われており、

運動強度により長ければ48時間持続するとされています。

これをAfter Burn(アフターバーン)と言います。

つまり、計画的にトレーニングをすることで、1週間を通して代謝が高い状態を維持できるのです。

通勤や買い物を「有酸素運動」と考える

トレーニングの後、しばらく身体が火照って汗が止まらない経験をしたことがあると思います。

これは、トレーニングが終わった後も、身体の中で、

トレーニングにより失われた筋肉のエネルギー(ATP)を再合成しているからです。

筋肉は運動強度により、ATPを作り出すシステムを切り替えます。

  1. 数十秒で終わる超高強度の運動⇒クレアチンリン酸を消費してATPを作り出す「ATP-CP系
  2. 数分で終わる強~中強度の運動⇒糖質を消費してATPを作り出す「解糖系
  3. ウォーキングなどの低強度の運動⇒酸素を消費してATPを作り出す「電子伝達系

トレーニングの後、筋肉は主に3つ目のシステムによって失われたATPを補充しています。

嬉しいことに、このシステムでは酸素と、血中に流れている遊離脂肪酸などを燃やし、ATPを再合成します。

このタイミングで通勤や買い物などの「日常生活」を当てはめれば、

有酸素運動との相乗効果で、体脂肪を効率良く燃やすことができるのです。

こういった細かい工夫が、積み重なって大きな変化につながります。

TRX トレーニング メニュー
通勤や買い物を有酸素運動と考えよう!

効率よくシェイプアップしたいなら「量より質」を高める

十数年前までは、体脂肪を落としたいなら、

ウォーキングなど低強度の有酸素運動を長時間行うことが望ましいとされてきました。

これを「LSDLong Slow Distance)トレーニング」と言います。

しかし、これはもう古いです!

現在は、HIITなど高強度な運動の方が、消費カロリーが大きく、アフターバーン効果も高いとされ、

体脂肪を燃やすために効率が良いと言われています。

シェイプアップ効果を高めるには、「量より質を高める」ことがポイントなのです。

ただし、高血圧など循環器系の疾患がある方は、HIITは健康を害するリスクがあるので、

医師とコミュニケーションを綿密にとりつつ、LSDトレーニングから始めるようにしましょう。

効率良くシェイプアップしたいなら、「量より質」を高めよう!

安全&効果的にケトルベルトレーニングを始めたい方へ

今回は

  • なぜケトルベルトレーニングが女性にこそおすすめなのか
  • ケトルベルとHIITは相性が抜群
  • 効率良くシェイプアップするためのアドバイス

についてお話ししました。

女性の皆さんのケトルベルに対するイメージが変わり、ケトルベルトレーニングをやってみたくなっていただけたら幸いです!

ケトルベルトレーニングを安全に&効果的に学びたい方は、ぜひプログラムを体験してみて下さい!

出典
TANITA. 『筋質とは?筋肉の質について』. https://www.tanita.co.jp/content/innerscandual/sp/muscle_quality/index.html. (参照 2021-03-03)