「スナッチもバッチリできるようになったし、自分はケトルベルトレーニング上級者だ!」
もし、あなたがこう思っているとしたら、
「5分間スナッチテスト」で自分の実力を試してみましょう!
精神的にも肉体的にもタフなテストです!
これをクリアできたら、あなたは自他共に認めるケトルベルトレーニング上級者です!
5分間スナッチテストとは?
5分間スナッチテストは、世界最大のケトルベルインストラクター認定団体である「RKC(Russian Kettlebell Challenge)」が考案したものです。
RKCは「ハードスタイルケトルベル」の生みの親でもあります。
正式なケトルベルインストラクターになるためには、クリーンやスナッチなど基本的なエクササイズをマスターし、
5分間スナッチテストをパスしなければなりません。
僕はRKCケトルベルインストラクターの資格は持っていませんが、
自分のケトルベルスキルを客観的に測るために、時々テストしています。
5分間スナッチテストの心拍数の推移
テストのルール
テストのルールは、とてもシンプルです。
5分以内にスナッチを100回以上行うことができればクリアです!
スナッチのポイントは、1回ずつ頭上でしっかりと肘を伸ばします。
これを「オーバーヘッドロックアウト」と言います。
手の持ち替えは何度でもOK、ケトルベルを床に置いて休んでも構いません。
(正式な認定試験では、膝を2回曲げてはいけないなど細かい規定がありますが、ここでは省きます)
テストに関する詳しいルールを知りたい方はこちら(英語です)。
「なんだ、簡単そうだ」と、初めてテストする時思いました。
しかし、実際にやってみると・・・
ケトルベルの重さの基準
5分間スナッチテストで用いるケトルベルの重さは
- 体重
- 性別
によって明確に決められています(本来は年齢も加味されますが、ここでは省きます)。
男性
- 体重60kgまで⇒ケトルベル18kg
- 体重61~67kgまで⇒ケトルベル20kg
- 体重68~74kgまで⇒ケトルベル22kg
- 体重75~112kgまで⇒ケトルベル24kg
- 体重113kg以上⇒ケトルベル24kgもしくは28kg
女性
- 体重45kgまで⇒ケトルベル10kg
- 体重46~54kgまで⇒ケトルベル12kg
- 体重55~60kgまで⇒ケトルベル14kg
- 体重61~90kgまで⇒ケトルベル16kg
現在、僕は体重が78~79kgなので、24kgのケトルベルで挑戦しました!
テストをクリアするために必要なスキル
5分間スナッチテストをクリアするためには、
- スナッチのテクニック
- 心肺持久力
- 大殿筋・広背筋・前腕などの筋持久力
- 根性
この4つのレベルアップが不可欠です。
1.力のコントロールと全身の連動性を磨け
5分以内に100回以上スナッチするためには、テクニックを磨き、無駄のない動作が不可欠です。
理想的なスナッチのフォームのポイントは、
- 股関節で生み出したパワーをスムーズに上半身に伝えて、ケトルベルを振り上げる
- ケトルベルが顔の高さを越えたらグリップの力をコントロールし、ケトルベルを頭上で柔らかくキャッチする
- 頭上から降ろす時は、下半身の筋肉の弾力性を使ってケトルベルの遠心力を吸収し、次のスナッチにつなげる。
この3ステップをスムーズに繰り返せるように練習しましょう👇
持久力とは?
持久力は、大きく2つに分けることができます👇
- 酸素を消費して、主に脂質から筋肉のエネルギーであるATPを生み出す「有酸素性持久力」
- 酸素を消費せず、クレアチンリン酸や糖質を分解してATPを生み出す「無酸素性持久力」
心肺持久力は、有酸素性持久力に含まれます。
一方、筋持久力は無酸素性持久力に含まれます。
2.心肺持久力とは?
心肺持久力は、「全身の持久力」または「スタミナ」とも呼ばれます。
次の2つによって評価されます👇
- 心臓が1分間で送り出せる血液の量
- 筋肉が取り込める酸素の量
長距離ランニングなど、有酸素性持久力を向上させるトレーニングを継続していると、
心臓(左心室)の容量が増大し、1回のポンプでより多くの血液を全身に送りだすことができるようになるのです。
さらに、筋肉内を網目のように走る毛細血管が発達し、筋肉がたくさんの酸素を取り込めるようになります。
3.筋持久力とは?
一方、筋持久力は「スピード持久力」とも呼ばれ、高強度な運動を長い時間続けられる能力を指します。
筋肉は、運動強度が一定以上になると、エネルギーを生産するシステムを切り替えます。
つまり、酸素を使って脂質を燃やし、エネルギーを作り出すエネルギーシステム(電子伝達系)から、
主に糖質を分解してエネルギーを作り出すエネルギーシステム(解糖系)に切り替えるのです。
解糖系では、エネルギーを作り出すとき、代謝物として乳酸や水素イオンができます。
乳酸も水素イオンも酸性なので、筋内に蓄積してくると、筋肉が酸性に傾きます。
これがパワーの低下や筋疲労の原因です。
筋トレをしている時、10回目あたりで急に筋肉が痛くなって運動を続けられなくなりますね。
これは、筋肉が代謝物である乳酸や水素イオンに耐えられなくなった状態なのです。
筋持久力が向上すると、筋肉の乳酸や水素イオンに対する耐性が向上します。
その結果、高強度の運動を維持する能力が向上します。
つまり、ダッシュのような強度の高い運動を、より長い時間続けられるようになるのです!
4.あなたの根性が試される
5分間スナッチテストは、身体的にハードなのは言うまでもありませんが、
精神的にもタフなテストです。
特に、70回を過ぎたあたりから、一気に疲労感が襲ってきます。
前腕はパンパンになり、心臓は悲鳴を上げ、足がガクガクしてきます。
ケトルベルを置いて休んでも大丈夫ですが、5分は意外と短いです。
休みすぎるとすぐにタイムアウトになってしまいます。
辛くなったとき、「ここが正念場!」と耐えられるかどうか、あなたの根性が試されます!
トレーナーも実際にやってみた!
それでは、5分間スナッチテストの実演です!
結果は・・・
120回でした!
内訳は、(左手の回数ー右手の回数)
- 15-10←右のカウントを間違えました(^^;
- 10-15
- 10-10
- 10-10
- 5-5←3:58で100回達成!!
- 5-5←ここで少し休憩。床に置くことなく連続110回!
- 5-5 合計120回
テストの後は、全身の筋肉がパンパンにパンプアップしました💪
両足もガクガクで、心拍数は180近くまで上がりました🔥
僕は普段からトレーニングをしているので、心拍数を180まで上げることはなかなか難しく、
50mダッシュを短いインターバルで何本も繰り返した時に匹敵する強度です!(実際に測定しました!)
自宅で、しかも周囲への騒音を気にすることなく、
ここまで心拍数を高めることができ、全身の筋肉を同時に追い込むことができるのは、
ケトルベル以外ないと思います!
テスト結果の評価
ぜひ、皆さんも5分間スナッチテストに挑戦してみて下さい。
皆さんの励みになればと思い、評価基準を設けてみました👇
- 60回以下→ケトルベル初心者
- 61~80回→ケトルベル中級
- 81~100回→ケトルベル上級
- 101回以上→ケトルベルエリート
いかがでしたか?
このテストは、心肺持久力や筋持久力など、トレーニングの成果を測る目的で行うのもおすすめです!
ケトルベルトレーニング仲間で集まって競い合うのも楽しいですね♪
安全第一で、楽しくハードに追い込んで下さい!
ケトルベルスナッチを最短&確実にマスターしたい方へ
今回は「5分間スナッチテスト」についてお話ししました。
ケトルベルトレーニングを安全&効果的に学びたい方は、ぜひプログラムを体験してみて下さいね!
ウエイトトレーニング歴10年以上、パーソナルトレーナー歴8年以上、ケトルベルトレーニング歴4年以上(2021年3月時点)のプロトレーナーが、ケトルベルトレーニングを初心者でもわかりやすく解説しています!シェイプアップからスポーツのパフォーマンスアップまで幅広いニーズに応えられる、自信のプログラムです!
出典
NPO法人 日本トレーニング指導者協会、鈴木一行、 『トレーニング指導者テキスト実践編 改定版』、(第6版)株式会社大修館書店、2018、p68-77、(ISBN978-4-469-26754-9)
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