前回は、
- スポーツパフォーマンスを向上させるために筋トレが大切な理由
- 筋トレの効果を高くするためにおさえておくべきポイント
についてお話ししました。詳しくはこちらをどうぞ👇
技術練習と並行して筋トレをすることで、効率よくパフォーマンスアップを狙えることがわかりました。
では、「一般的な筋トレ」と「ケトルベルトレーニング」では、何が違うのでしょうか?
ケトルベルトレーニングのメリットとは、何でしょうか?
今回はこのテーマについてお話しします!
ケトルベルトレーニングの特徴
僕は今まで、3年以上ケトルベルトレーニングを継続してきました。
身をもって実感した、ケトルベルトレーニングの特徴をまとめてみました👇
- 全身の筋肉を同時に使うエクササイズが多い
- 筋トレと有酸素運動両方の効果が期待できる
- 格闘技など、体重を維持したまま筋力を向上したい競技におすすめ
- 短い時間で追い込める
- 「協調と連係」「力の伝達」「連動性」といったスポーツに必要なスキルを高められる
「協調(コーディネーション)と連係(リンク)」とは、それぞれの動作で使う筋肉や関節を、タイミングよく正しい順序で、力を調節しながら発揮させるスキルのことです。
「力の伝達」とは、運動連鎖とも言います。力を効率良く伝えていくスキルのことです。下半身で生み出した大きな力を、体幹を通して上半身に無駄なく伝えるために欠かせません。
参考動画
1.ケトルベルは全身の筋肉を同時に鍛えられる
スナッチに代表されるケトルベルエクササイズの動力源は、主に股関節周りと背中の筋肉です。
大殿筋やハムストリング、内転筋、そして広背筋などが強く働き、ケトルベルを振り出します。
クリーンの後、連続でケトルベルを頭上に押し上げるプレスを組み合わせれば、三角筋や上腕三頭筋などの上半身の筋肉が加わり、働く筋肉の数も多くなります。
つまり、筋トレで有名な「ビッグ3」と同じように、ケトルベルエクササイズもたくさんの筋肉を使うのです。
同時にたくさんの筋肉が使われると、
- テストステロン(男性ホルモン)の分泌が高まり、筋タンパクの合成が高まる
- インスリン様成長因子-1が活性化し、筋タンパクの合成が高まる
といった、筋肉を効率良く大きくするために望ましい変化が身体の中で起きます。
ケトルベルトレーニングで筋肥大が可能な理由の1つです。
2.ケトルベルトレーニングで筋トレと有酸素運動両方のメリット!
ケトルベルトレーニングとHIITを組み合わせることで、筋トレと有酸素運動両方のメリットが期待できます。
最近流行っているボクササイズやダンス系のエアロビクスは、
体脂肪を燃やす有酸素運動としての効果は高いですが、筋トレにはなりません。
特に、女性が気にする背中やにのうでのシェイプアップ効果は望めません。
なぜなら、筋肉をつけるためには、日常生活以上の負荷をかける必要があるからです。
少しずつ負荷を上げていかなければ、筋肉は成長しなくなってしまいます。
これを「順応」と言います。
一方、一般的な筋トレは、10回くらい行っては1~2分休憩をはさむため、有酸素運動の効果はありません。
筋肉を効率良く大きくできる反面、体脂肪を燃やす効果は低いため、
筋トレの後にウォーキングなどをする人が多いですが、忙しい方にとって現実的ではありませんね。
ケトルベルトレーニングとHIITを組み合わせれば、
筋肉を強く大きくしながら、同時に体脂肪を燃やす有酸素運動の効果も期待できます!
実際、フィットメイトに通われた多くのお客様がこの方法で効果を実感されています。
参考動画
3.ケトルベルは体重を維持したまま筋力を高めたい競技におすすめ
格闘技など階級制のスポーツでは、体重が増えすぎてしまうことは問題です。
「筋力を高めてパワーをつけたいけど、体重は今の階級を維持したい」
という競技者に、ケトルベルトレーニングはぴったりです!
なぜなら、スナッチなどの高強度エクササイズを中心にケトルベルトレーニングを行うことで、
高い心拍数を比較的長い時間維持することができ、引き締まった身体を作るからです。
心拍数は、運動強度を客観的に測ることができる指標の一つです。
高い心拍数は、それだけ消費カロリーが大きいことを意味します。
一般的な筋トレは、1セットごとに筋肉を休ませる必要があるため、多くの場合1分以上の休憩をはさみます。
全体でみると、けっこう長い時間を休憩して過ごしているのです。
セット中は心拍数が高くなりますが、全体を通して平均すると、それほど高い心拍数になりません。
一方、ケトルベルトレーニングは、ハードなエクササイズを連続して行うことで、
一般的な筋トレと比較にならないくらい高い心拍数を維持することができます。👇
消費カロリーが増えれば、体脂肪を効率よく落とすことができ、引き締まった身体作りに貢献します。
格闘家が好んでケトルベルトレーニングを取り入れている理由の1つだと思います。
4.ケトルベルトレーニングは短時間&高強度トレーニングに最適!
忙しくてなかなかトレーニングのためにまとまった時間が確保できない方に朗報です!
ケトルベルは時短トレーニングに最適です!
これまでバーベル、ダンベル、マシン、TRX、ボディウエイトなど、様々な種類のトレーニングを経験してきました。
その中で、ケトルベルトレーニングほど短い時間で追い込めるものはないと思います。
クリーンやプレス、スナッチ、ターキッシュゲットアップなど、複数のエクササイズを組み合わせ、
休まず連続で行うことで、10分もあれば全身を追い込むことが可能です。
ケトルベルを使いこなせるようになるまで練習が必要ですが、テクニックをマスターすれば、
安全かつ効果的に、しかも自宅で高強度トレーニングができます。
5.ケトルベルは「動きの中で筋肉を鍛える」イメージ
ケトルベルトレーニングは、一般的な筋トレのように「じっくり効かせる」という感じではなく、
「複数の関節と筋肉を連動させながら、動きの中で筋肉を鍛える」という感じに近いです。
トレーニングの仕方によって特定の筋肉に集中して負荷をかけ、筋肉を大きくすることもできますが、
複数の筋肉を同時に使うエクササイズが多いので、
「協調と連係」「力の伝達」「全身の連動性」といった、スポーツで重要なスキルを高めるのに適しています。
これが「ケトルベルは筋肥大に向かない」と思われている理由かも知れません。
しかし、それは誤りです!詳しくはこちらをどうぞ👇
ケトルベルは、使い方により筋肥大にも使えるし、
連係や伝達、連動性といった、より高度なスキルを高めることもできる優れものなのです。
安全&効果的にケトルベルトレーニングを学びたい方へ
今回は、ケトルベルトレーニングの特徴として、
- 全身の筋肉を同時に使うエクササイズが多い
- 筋トレと有酸素運動両方の効果が期待できる
- 格闘技など、体重を維持したまま筋力を向上したい競技におすすめ
- 短い時間で追い込める
- 「協調と連係」「力の伝達」「連動性」といったスポーツに必要なスキルを高められる
5つのトピックに焦点を当て、お話ししました。
- ケトルベルトレーニングでかっこいい身体を作りたい
- ケトルベルをスポーツパフォーマンスの向上に役立てたい
という方は、ぜひプログラムを体験してみてください!
ウエイトトレーニング歴10年以上、パーソナルトレーナー歴8年以上、ケトルベルトレーニング歴4年以上(2021年3月時点)のプロトレーナーが、ケトルベルトレーニングを初心者でもわかりやすく解説しています!シェイプアップからスポーツのパフォーマンスアップまで幅広いニーズに応えられる、自信のプログラムです!
出典
有賀誠司『DVDつき 基本のファンクショナルトレーニング 体幹+動きのトレーニング』、株式会社主婦の友社、2013、p41、(ISBN978-4-07-292830-1)
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