【必見】スポーツのパフォーマンスアップのために筋トレが大切な理由

スポーツでもっと上達するために必要なことは?

  • もっと速く走れるようになりたい!
  • ゴルフでもっと遠くにボールを飛ばせるようになりたい!
  • 野球でもっと速いボールを投げられるようになりたい!

競技ごとに、異なるニーズがあります。

果たして、技術練習だけをしていれば、このようなニーズに応えることができるのでしょうか?

今回は、なぜ筋トレがスポーツパフォーマンスの向上のために重要なのか、その理由をお話しします。

ひたすら技術練習だけをしていれば、パフォーマンスアップできるのか?

ひたすら競技練習だけしていればパフォーマンスは上がるのか?

あなたが野球のピッチャーだとします。

球速を上げるために、どんな練習を思いつきますか?

  • 速いボールを投げるための無駄のないフォームを研究する
  • 毎日投げ込みをして、「ピッチャーらしい筋肉」を投げることで培う
  • 走り込みをして、下半身を強化する

などなど、たくさん思いつきますね。

あるテレビのスポーツコメンテーターが、

「ウエイトトレーニングはいらない。走り込みをして、何回も素振りやキャッチボールなどの基礎練習をしていれば結果はついてくる」

という趣旨のコメントをしていました。

確かに、基礎となる技術練習の反復は大切です。

しかし、ひたすら競技練習だけをしても、パフォーマンスアップにつながらないことも考えられます。

関節を動かし、身体を動かすのは筋肉

私たちの骨格は、200個以上の骨と、それらをつなぐ関節、そして600個を超える数の筋肉によって動かされています。

つまり、身体を動かす力の源は筋肉なのです。

筋トレによって筋肉を強く大きくすることができれば、関節を動かす力も強くなります。

つまり、より大きな力を身体の外に対して発揮することができるようになるのです。

筋肉は車で例えるとエンジン

分かりやすく例えると、筋肉は車のエンジンのようなものです。

筋トレによって大きくなった筋肉は、スポーツカーのエンジンのように強い馬力が出せるようになります。

筋トレはエンジンをベースアップさせることができる最も効率の良い方法なのです。

大きくて強い筋肉は大きな筋力を出せる

大きな筋肉は、理論上、その大きさに比例して大きな筋力を出すことができます。

最大筋力が上がれば、より大きなパワーを発揮できるようになります。

最大筋力は「じわじわと大きな力を出し、どれだけ重いウエイトを挙げられるか」を表す指標です。

一方、パワーは「力x速度」で表され、

  • いかに短い時間でトップギアまで持ってゆけるかという「力の立ち上がり
  • A地点からB地点までどれだけ速く到達できるかという「スピード

このような指標によって評価されます。

大きなパワーはスピードアップにつながる

筋力が強くなれば、より大きなパワーを出すための土台ができます。

その土台を基礎として、筋肉にパワーを発揮させるためのトレーニングをプラスすることで、パワーが向上します。

パワーが向上すればスピードアップにつながり、ダッシュ力が向上したり、ボールを投げる時の初動スピードが増し、球速の向上につながるのです。

大きなパワーはスピードアップにつながる!!

競技練習と筋トレを平行して行うことが大切

つまり、ひたすら競技練習のみをするより、筋トレも並行して実施し、筋肉を強く大きくして筋力を高めることもパフォーマンスアップには重要なのです。

次に、効率よく筋肉を大きくするために抑えておきたい4つのポイントについてお話しします。

効率的な筋トレのための4つのポイント

山登りと同じで、筋トレを始める前に目的を明確にしましょう

  • もっと高くジャンプできるように下半身のパワーを強化する
  • サッカーで他の選手に競り勝てる体幹力をつける

など、具体的な目標を決め、時々振り返って、トレーニングが計画どおりに進んでいるかを確認しましょう。

そして、筋トレを効率よく進めるために、筋トレの原則についても最低限知っておく必要があります👇

  1. 自分の目的に合うようにトレーニングを「デザイン」する
  2. 少しずつ負荷を上げてゆく⇒「オーバーロード過負荷)と漸進性
  3. 全身の筋肉を偏りなく鍛える⇒「全身性
  4. エクササイズの優先順位を決める

1.競技の特性を考えてトレーニングを「デザイン」する

あなたがマラソン選手だとしましょう。

筋トレの目的は「自己ベストを更新するために走力を伸ばす」と設定します。

筋トレプログラムの主軸は、大殿筋や大腿四頭筋など下半身の筋力の強化が適切だと思います。

もしここで「カッコイイ身体にもなりたいから上半身の筋肉もしっかりつけたい」と、

ベンチプレスやダンベルカールなどの上半身エクササイズをたくさん盛り込み、トレーニングを実施したとして、

競技パフォーマンスアップにどう影響するでしょうか。

上半身の筋肉量が増えた分、身体はどうしても重くなります。

マラソンという競技の特性を考えると、重くなった身体はより多くのエネルギーを消費するため、マイナスとなります。

また、体重が増えれば足にかかる負担が大きくなり、足底腱膜炎などの怪我につながりかねません。

上半身の筋肉の強化は、腕をふるために重要な広背筋や、

体幹を安定させるために重要な腹斜筋などを中心にトレーニングした方が良いでしょう。

このように、自分の競技の特性や自分の弱点を分析し、トレーニングプログラムをデザインすることが大切です。

自分の競技の特性や自分の弱点を分析し、トレーニングプログラムをデザインすることが大切

2.少しずつ強度をあげてゆく

次に、トレーニングの強度の上げ方についてお話しします。

トレーニングの強度は、

  • 扱うウエイトの重さ(物理的負荷)
  • 1回あたりのトレーニングのボリューム(エクササイズの数やトータルセット数など)
  • セット間の休憩時間
  • 1週間に行う頻度

など、様々な方法で上げることができます。

筋肉は強い刺激を与えると、その刺激に反応しさらに強くなろうとします。

これを順応といいます。

大切なことは、自分の筋力や体力を過大評価せず、少しずつ負荷を上げてゆくことです。

早く筋力を強くしたいと焦ってウエイトを急に増やしたり、技術練習に影響が出るほどボリュームを増やしたりしてしまうと、

怪我のリスクが高くなってしまいます。

本来身体を強くするためのトレーニングが、身体を破壊する行為になってしまうのです。

トレーニングノートをつけながら、少しずつ負荷を増やしてゆくことが大切です。

また、技術練習とのバランスを考え、オーバートレーニングにならないように自分の身体によく耳を傾けましょう

3.全身の筋肉ををまんべんなく鍛える

私たちの身体は、数多くの骨、関節、そして筋肉によって形作られ、動いています。

特定の筋肉ばかりを鍛えていると、その筋肉が動かす関節が強く引っ張られ、

骨格のバランスを崩し、痛みや練習中の怪我につながりかねません。

左右上下、全身の筋肉をバランスよく鍛えることが、身体のバランスを整え、怪我を防ぎます

また、上半身と下半身の筋肉は別々に感じられますが、ホルモンや自律神経の働きを通して、両者は密接に関係しています。

下半身の筋肉を鍛えることで、その効果が上半身にも伝わることが、科学的に証明されています。

これを「効果の移転」といいます。

下半身のトレーニングによって、テストステロンや成長ホルモンといった筋肉の発達を促す物質が、

血液の流れにのって身体の中を運ばれるからではないかと言われています。

好きなエクササイズに偏りがちな人は、全身をバランスよく鍛えた方が、

結果的に大きくしたい筋肉を最大限に発達させることができるんだと覚えておいて下さい。

4.大きな筋肉から優先して鍛える

エクササイズの優先順位を決めてトレーニングすることで、筋トレの効率を高めることができます。

エクササイズには「コンパウンドエクササイズ」と「アイソレートエクササイズ」の2つがあります。

上半身のエクササイズを例にすると、

  • 懸垂(プルアップ)→肩関節と肘関節、2つ以上の関節が動く→コンパウンド
  • ダンベルカール→肘関節:動く関節が1つのみ→アイソレート

こんなイメージです。

元気でたくさんのエネルギーを注ぎこめるうちにコンパウンドエクササイズを行うのが効率の良い筋トレです。

アイソレートエクササイズは、疲れて集中力が低下してくるトレーニング終盤に行う方が良いでしょう。

元気でたくさんのエネルギーを注ぎこめるうちにコンパウンドエクササイズを行うのが効率の良い筋トレだ。

今回は、

  • スポーツパフォーマンスを高めるためには、競技練習と並行して筋トレをした方が効果的
  • 効率良く筋肉を大きくするためにおさえるべきポイント

についてお話ししました。

今回の記事で、筋トレがもつ重要性について少しでも理解を深めていただければ幸いです。

ケトルベルトレーニングに興味がある方、ケトルベルでパフォーマンスアップしたい方は、

ぜひプログラムを体験してみて下さい!

杉原亘紀
こうき

ウエイトトレーニング歴10年以上、パーソナルトレーナー歴8年以上、ケトルベルトレーニング歴4年以上(2021年3月時点)のプロトレーナーが、ケトルベルトレーニングを初心者でもわかりやすく解説しています!シェイプアップからスポーツのパフォーマンスアップまで幅広いニーズに応えられる、自信のプログラムです!

出典
谷本道哉、荒川裕志、石井直方『使える筋肉・使えない筋肉 アスリートのための筋力トレーニングバイブル』、{第二版}、株式会社ナツメ社、2019、p50-59、(ISBN978-4-8163-6551-5)