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基礎エクササイズを徹底解説しました!

前回は、

  • 一般的なスポーツやトレーニングで怪我を防ぐためにすべきこと
  • 怪我は100%防ぐことはできない
  • 怪我をしてしまった時の対処法

についてお話ししました。

今回は、ケトルベルトレーニングで起こりうる怪我と、その対処方法に焦点を当てて、お話ししたいと思います。

ケトルベルトレーニングで傷めやすいところ

ケトルベルでトレーニングすることが習慣になっている方が、特に傷めやすいところが3つあります👇

  • 手のひら

それぞれのケースについて、

  • どういう時に痛めやすいか
  • 痛める原因は何か
  • どうすれば防ぐことができるか

に焦点を当て、少し掘り下げてみましょう。

ケトルベルトレーニングで傷めやすい部位の1つ目は腰(下背部)です。

デッドリフトやスイング、クリーン、スナッチなどほとんどのケトルベルエクササイズは腰の筋肉に負荷をかけます。

特に、スイングなど「振る」エクササイズでは、振り上げたケトルベルの遠心力がプラスされるので、デッドリフトよりも腰にかかる負荷は大きくなります。

第1に、「関節にかかる負担を最小限に、ターゲットの筋肉に最大の負荷をかけられる」正しいフォームを身につけることがとても大切です。

  • 股関節をしっかり後ろに引いて、上体を前に倒す
  • 肩甲骨はつねに引き締めて、背中はまっすぐに保つ

上記の2点ができているか、自分のフォームをスマホで録画して確認しましょう。

フォームは悪くないのに、何回も振って疲れてくると腰が痛くなる」という方は、

もも裏の筋肉であるハムストリングが固い場合が多いです。

(写真は後ろから見ています👇)

ハムストリング(大腿二頭筋長頭・短頭・半腱様・半膜様筋)
ハムストリング(大腿二頭筋長頭・短頭・半腱様・半膜様筋)

ハムストリングは、骨盤の下の方にある坐骨から始まり、すねの骨の上端についています。

主に、脚を後ろに蹴りだす動作と、膝を曲げる動作に貢献します。

筋肉が固いと、その筋肉の起始(始まり)と停止(終わり)が近づいて固まります。

つまり、ハムストリングが固いと、骨盤を後ろに傾けるように引っ張るのです。

すると、腰椎が引き離されるような力が働き、腰に負担がかかるのです。

「はじめの方は何ともないが、何度もスイングしているとだんだん腰が痛くなる」という方は、

ハムストリングの固さが原因しているかもしれません。(もちろん他にも原因はあり得ます)

ハムストリングが固いと自覚している方は、筋膜リリースやストレッチで少しずつ柔軟性を高めましょう。

ケトルベルトレーニングで傷めやすい部位の2つ目は肩です。

肩の、特に前側が多いです。

プレスやスナッチ、ウィンドミルといった、ケトルベルを頭上までもっていくものをまとめて

オーバーヘッドエクササイズ」と言います。

すぎはらこうき

オーバーヘッド動作をスムーズに行うために、2つのポイントをおさえましょう👇

  • 胸椎の伸展(胸を開いて背筋を伸ばす動き)
  • 肩甲骨のスムーズな動き

この2つのポイントは、肩峰下インピンジメントや、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)といった肩の外傷とも深く関係しています。

なぜ、オーバーヘッド動作で肩に痛みが生じるのでしょうか?

原因の1つに過度な猫背があります。

デスクワークやスマホの操作、家事、車の運転など、背中が丸まった姿勢で長時間いると、

胸椎の後弯が強くなり、加えて肩甲骨が外に広がり(外転)、固まってしまいます。

この姿勢では腕を高く挙げられません。

試しに、背中を丸めたまま腕を高く挙げてみて下さい。

途中で肩が詰まるような感じになり、高く挙げられない思います。

にもかかわらず、無理にあげようとして、肩に痛みが出てしまうのです。

痛みの原因は様々ですが、僕自身の経験から、ケトルベルトレーニングで傷めやすいところは、

上腕二頭筋長頭腱」と呼ばれるところだと思います(矢印の筋肉です。前から見ています👇)

上腕二頭筋長頭腱
上腕二頭筋長頭腱

上腕二頭筋長頭腱は、肩の関節包の中で約90°向きを変えます。

肩甲骨の動きが良くないと、この部分で摩擦が生じます

この摩擦が原因で炎症が起こり、痛みを感じるのです。

この摩擦を軽減するために、肩甲骨がスムーズに動くように日頃からストレッチや筋膜リリースを行う必要があるのです。

肩の前側や、大胸筋上部、肩甲骨を外旋させる棘下筋小円筋、肩を横に上げる動きをサポートする棘上筋などを中心にケアをすると良いと思います。

手のひら

ケトルベルトレーニングで傷めやすい部位の3つ目は手の皮膚です。

クリーンやスナッチなど、ケトルベルエクササイズの中には手の中でグリップが動くものがあります。

重たいケトルベルを使う場合、落とさないようにグリップを強く握りしめるので、

手の皮膚に負担がかかりやすくなります。

特に、夏場など湿度が高く汗をたくさんかく季節では、手の皮膚が水分を含み破れやすくなります。

手の皮膚が破れてしまうと、当然、しばらくトレーニングができなくなってしまいます。

では、どうすれば避けることができるでしょうか?

いくつかおすすめの対策があります👇

  • チョーク(炭酸マグネシウム)をつけ、手が乾燥した状態を保つ
  • 手のひらにできた「マメ」の手入れをする
  • クリーンやスナッチなど、グリップが手の中で動くエクササイズを毎日行わない

チョークは、グリップの中で手が滑りにくくし、握力の消耗を防ぐことにも役立ちます。

チョークをつけるポイントは、手のひら全体につけるのではなく、指やケトルベルのグリップにつけましょう

こうすることで、手を乾燥した状態に保ち、皮膚が破れにくくなります。

また、トレーニングによってできる「マメ」の手入れも大切です。

手の皮膚が裂けるのは、たいていマメがぶ厚くなったところからです。

時折マメを削り、手の皮膚のケアをしましょう。

そして、クリーンやスナッチをたくさん行った日の翌日は、手の皮膚にダメージが蓄積していますので、

ケトルベルトレーニングはお休みにし、手の皮膚にダメージが蓄積しないようにしましょう

代わりに、ボディウエイト中心のサーキットトレーニングやランニングなどを行うと良いでしょう。

ケトルベルとグローブ

お客様から「トレーニンググローブをしてケトルベルトレーニングをしても良いか?」という質問を頂きます。

グローブは、スイングやゴブレットスクワットなどなら問題ありませんが、

スナッチなどでは手の繊細な感覚が必要なため、グローブをしてしまうと感覚が鈍くなってしまい、

グリップを余計に強く握りしめ、握力の消耗を早めることになりかねません。

従って、グローブは使わず、チョークなどで対応することをおすすめします

女性の方で「どうしても手にマメができるのはイヤだ」という方は、薄手で指先がないグローブを用いると良いと思います。

どれだけ準備やケアをしても怪我を100%防ぐことはできない

ケトルベルトレーニングで傷めやすい3か所について、お話ししてきました。

以上のアドバイスを実践していただければ、怪我をする確率をぐっと下げることができると思います。

しかし、残念ながら、

どれだけウォーミングアップやケアを念入りに行っても、100%怪我を防ぐことはできない

ということも事実です。

次に大切なのは、怪我をしてしまった時の対処と、治癒を早める方法です。

傷めてしまった時のアドバイス

まず冷やす

怪我をしてしまった時は、すぐに冷やしますアイシング)。

氷のうや、ビニール袋に氷と少しの水を入れたもので患部を冷やし、代謝を下げます。

冷やすことで、傷ついていない組織にまで炎症が及ぶのを防ぎ、治癒を早めることができます。

炎症は3日くらいで治まることが多いので、その間は一定の間隔をおきながら、冷やし続けることが大切です。

外出先など、氷のうで冷やすことが難しい場合は、市販の湿布を貼りましょう。

マッサージとストレッチで患部のケアをする

炎症が収まったらマッサージ→ストレッチの順で患部のケアをしましょう。

患部を全く動かさないのは、かえって治癒を遅くしてしまいます。

怪我をした所は、痛みにより筋肉がぎゅっと固まり、血行が悪くなっています。

痛みがなかなか引かない原因の1つが、これなのです。

痛みのない範囲でマッサージをし、動かすことで、血行を改善します。

痛みを発する物質を取り除くとともに、新鮮な血液が栄養を運び、回復を早めます。

トレーニング再開のタイミング

みなさんが最も知りたいことは「トレーニング再開のタイミング」だと思います。

正直なところ、「ケースバイケース」と言わざるを得ません。

怪我の原因が、軽い肉離れ(筋膜の炎症)や捻挫であれば、適切な処置をすぐに施したと仮定して、

1~2週間でトレーニングを再開できると思います。

ただし、決して怪我を軽視しないで下さい。

原則は、痛みが完全に引いてから再開するべきですが、怪我をしていない部位のトレーニングを行うことも忘れてはいけません。

肩が痛くても、脚のトレーニングは可能ですし、走り込んで心肺機能の強化はできます。

患部に影響のない部位の強化は、怪我が治ったときにさらにレベルアップするために大切なのです。

痛みが引かない時やぶり返すときは医師の診断を仰ぐ

アイシングなどの適切な処置を施し、ケアも行っているのに、痛みが引かない場合や、

痛みが引いたのでトレーニングを再開したら、また痛み出したという場合は、

必ず整形外科や接骨院で診察を受けてください。

「まあ大丈夫だろう」と放置しておくと、傷ついた筋肉が硬い組織におき代わってしまい(瘢痕化)、

もとのように伸び縮みしなくなってしまいます。

弾力性を失った筋肉は、再び断裂する可能性がとても高いです。

また、動きが悪くなるので、他の関節に負担をかけ、怪我の連鎖の原因になりかねません。

自己流で判断せず、必ず治療のプロの診断を仰ぎ、適切な治療を受けて下さい

安全第一でトレーニングすることの大切さ

僕自身も、実際に左肩を怪我して「安全第一でトレーニングをすることの大切さ」を身をもって実感しています。

身体は再生能力を持っていますが、完全にもとの組織に戻るかというと、そうではありません

皮膚や毛髪など、新陳代謝が活発な組織は、完全に回復してくれますが、

筋肉や関節包、靭帯などの組織は、怪我の重症度にもよりますが、完全にもとには戻らず、

硬い線維であるコラーゲンにおき代わってしまいます。

「完全には元に戻らないんだ」ということを念頭に置き、楽しくトレーニングを継続してゆきたいですね。

年齢にあったトレーニング方法を選ぼう

僕自身、30歳を過ぎてから、怪我をする頻度が増えたと思います。

大げさな話ではなく、20代の時は多少荒いフォームでバーベルスクワットやデッドリフトをしても、膝や腰に深刻な影響はありませんでした。

しかし、30歳を過ぎてから、激しいトレーニングの翌日に痛みを感じるようになり、身体の疲れも抜けきらなくなってきました。

次第に、どんどん重さを増やしてゆくトレーニングに限界を感じていきました。

年齢を重ねるとともに、関節軟骨や関節包、半月板などの組織は変性し、クッションの役割を果たせなくなってゆきます。

これらは神経が乏しいので、痛みを感じにくく、痛みが顕在化した時にはかなり進行しているケースも多いです。

また、血管も乏しいので、栄養を運びにくく、一度傷めてしまうと修復に時間がかかります。

厳しいですが「関節は消耗品」なのです。

安全&効果的にケトルベルトレーニングをしたい方へ

今回は

  • ケトルベルトレーニングで傷めやすい身体の部位
  • 怪我をしてしまった時の対処法
  • 安全第一でトレーニングすることの大切さ

についてお話ししました。

安全に、そして効果的にケトルベルトレーニングを始めたい方に、おすすめのプログラムです👇

ぜひ体験していただければと思います!