新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、大企業が中心となって推進している「リモートワーク」。
リモートワークが浸透しつつある現在、
- リモートワーク太り
- 肩こりや腰痛に代表される身体の不調
が働く人々を悩ませています。
リモートワークに付随する、このような問題を解決するにはどうすれば良いのでしょうか?
今回は、
- 活動量の低下が招く「リモートワーク太り」
- 「座りっぱなしによる不良姿勢」が引き起こす身体の歪みと痛み
といった問題に焦点を当ててお話しするとともに、
- 不良姿勢を改善するためのエクササイズ
もご紹介したいと思います!
「リモートワーク太り」は深刻な問題
フィットメイトに通っていただいているお客様に、
「リモートワークに切り替わる前と現在で、どれくらい1日の歩行数が変わりましたか?」と伺うと、
「通勤していた時は毎日約3000歩近くは歩いていたが、現在は外出しなければ300歩に満たない日も多い」
という回答を頂きました。
複数の方から同様の回答を頂きましたので、
やはり、リモートワークに切り替わったことにより活動量が減少していることは事実です。
リモートワーク太りの主犯は活動量の低下
活動量の低下は、肥満を招きます。
肥満は、
- 高血圧
- 高脂血症
- 糖尿病
など、様々な基礎疾患の原因となります。
活動量の低下はズバリ、日常生活の中で消費できるカロリーの減少を意味します。
私たちの身体は、日常生活のような軽い運動のエネルギーは、その多くを体脂肪から賄っています。
一方、トレーニングやスポーツのような高強度な運動のエネルギーは、
クレアチンリン酸や糖質を消費し、作り出しています。
つまり、活動量の低下は、せっかく体脂肪を燃やせる機会を逃していることになります。
「座りっぱなし」は健康を害する
リモートワークの問題は、活動量の低下だけではありません。
デスクワークやウェブ会議などにより、長時間パソコンの前に座り続けていると、
健康に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
私たちの身体にとって、ずっと同じ姿勢でいることは基本的に良くありません。
なぜなら、ずっと同じ姿勢でいると、特定の筋肉の血行が悪くなり、
老廃物や痛みを発する物質が留まり、身体の不調の原因になるからです。
痛みを発する物質のことを「発痛物質」といい、セロトニン・ヒスタミン・プロスタグランジン・ブラジキニンなどが代表的です。
私たちは、日常生活を送る中で、常に重力の作用を受けています。
重力の作用に抵抗し、姿勢を維持する役割をもつ筋肉を「抗重力筋」と言います。
抗重力筋は日常生活を送っている間、常に緊張しているので、固まりがちになります。
反対に、ゆるんだまま筋力が低下してしまう筋肉もでてきます。
このように、常に緊張して固くなってしまう筋肉と、ゆるんで筋力が低下してしまう筋肉により、
アライメント(骨の配列)に歪みが生じ、痛みや不調の原因になるのです。
長時間パソコンの前に座りっぱなしでいることは、身体にとって本当に良くないのです。
「座りっぱなし」が招く2つのシンドローム
長時間座ったままでいると、様々な「筋肉の緊張のアンバランス」があらわれてきます。
筋肉の緊張のアンバランスは、2つの徴候(シンドローム)に大別できます👇
- 上半身の筋肉の緊張の不均衡を表す「アッパークロスシンドローム」
- 下半身の筋肉の緊張の不均衡を表す「ローワークロスシンドローム」
アッパークロスシンドロームとは?
アッパークロスシンドロームとは、
上半身の筋肉のうち、「短く固まる筋肉(tight)」と「ゆるんで筋力が低下する筋肉(weak)」が、
それぞれ対角線上にあらわれ、「X」のような位置関係になることを言います。
わかりやすく言えば、ひどい猫背の姿勢です👇 ストレートネックの原因にもなります(-_-;)
「TIGHT」は、ふだんから使われすぎている筋肉です。
大胸筋や小胸筋、首の付け根のふくらみを作る僧帽筋上部、頭を支える首の後ろ側の筋肉などが該当します。
反対に、「WEAK」は、使われることが少ない筋肉です。
首の前側にある胸鎖乳突筋、肩甲骨の間にある大・小菱形筋、背中にある僧帽筋中部と下部などが該当します。
ローワークロスシンドロームとは?
ローワークロスシンドロームとは、
下半身の筋肉のうち、「短く固まる筋肉(tight)」と「ゆるんで筋力が低下する筋肉(weak)」が、
それぞれ対角線上にあらわれ、「X」のような位置関係になることを言います。
わかりやすく言えば、ひどい反り腰の姿勢です👇 みるからに腰に負担がかかりそうですね(-_-;)
長時間座っていることにより、腸腰筋や脊柱起立筋がずっと緊張を強いられ、固まってしまいます (tight)。
反対に、骨盤を後傾させる作用を担う大殿筋や腹直筋などの腹筋群がゆるみ (weak)、
骨盤が過度に前傾してしまうのです。
不良姿勢は働く人を悩ます「現代病」
筋肉の緊張のバランスが崩れ、アライメント(骨の配列)が歪んでしまうと、様々な痛みや身体の不調を引き起こします👇
- 肩こり
- 腰痛
- 血行の悪さによる手足の冷えやむくみ
- 下肢の深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)など
座りっぱなしによる不良姿勢は「現代病」といっても過言ではないのです。
では、様々な体調不良を引き起こす「現代病」を、どうすれば撃退することができるのでしょうか?
日々の運動で「現代病」をやっつけろ!
不良姿勢という「現代病」を撃退する唯一の方法は、
「運動習慣の確立」です。
こまめに身体を動かし、全身の血行を改善し、固まっている筋肉をほぐすことが大切です。
整体に通い、マッサージや電気治療を受けても、一時的に痛みを和らげるにとどまります。
週1回の整体より、毎日の細めなセルフケアが、「現代病」を解決する確実な方法なのです。
実践!姿勢改善エクササイズ!
アッパークロスシンドロームとローワークロスシンドローム、
それぞれを改善するには、2つのステップを経る必要があります👇
- 短く固まってしまっている筋肉(tight)をストレッチする
- ゆるんだまま筋力が低下している筋肉(weak)を動かして活性化する
それぞれのケースで、簡単に行えるエクササイズをご紹介します!
アッパークロスシンドロームを治すには?
1.固まっている筋肉をストレッチ
アッパークロスシンドロームで、特にストレッチしてほしい筋肉は小胸筋です👇
デスクワークや家事など、私たちは前かがみ姿勢になることがほとんどです。
小胸筋をストレッチしてあげることで、胸を大きく開きやすくなります。
ストレッチポールを使うと効果的にストレッチすることができます。
ゆっくり呼吸をしながら、呼吸に併せて腕や肩甲骨を大きく動かしましょう👇
2.筋力低下している筋肉を活性化
アッパークロスシンドロームで、特に活性化してほしい筋肉は、大・小菱形筋です(後ろから見ています)👇
菱形筋は肩甲骨を内側に寄せ、胸を開いた姿勢を作りやすくします。
フライトというエクササイズが効果的です👇
同時に胸椎の伸展と、脊柱起立筋もトレーニングできるので、猫背改善にぴったりなエクササイズです。
1日どれくらい行えば良い?
エクササイズを行う順番は、ストレッチ⇒活性化が良いと思います。
1日最低1回は行い、2回以上できればより効果的です。
ストレッチポールは、5分くらいで終わるルーティンを決めて行いましょう。
フライトは、ゆっくりしたペースで10~15回を1セットとし、2~3セット行いましょう。
ローワークロスシンドロームを治すには?
1.固まっている筋肉をストレッチ
ローワークロスシンドロームで、特にストレッチしてほしい筋肉は腸腰筋です👇
長時間座ったままで過ごしていると、腸腰筋が短く固まってしまいます。
大腰筋(左の筋肉)は腰椎に直接ついているので、短く固まってしまうと、腰椎を前方に引っ張ります。
腰椎の前弯が強調されることにより、腰痛の原因となるのです。
従って、1時間くらいに1回は席を立ち、腸腰筋をストレッチすることが理想です👇
2.筋力低下している筋肉を活性化
ローワークロスシンドロームで、特に活性化してほしい筋肉は2つあります。
1つ目は大殿筋です👇
筋肉には「主働筋」と「拮抗筋」があります。
- 主働筋は、その動作を担う原動力となる筋肉です。
- 拮抗筋は、関節をはさんで主働筋の反対側に位置する筋肉です。
私たちの身体は、関節をスムーズに動かすために、
「主働筋が収縮すると同時に拮抗筋がゆるむ」という複雑なコントロールをしています。
この神経のコントロールのことを「神経の相反抑制」と言います。
長時間座ったままで過ごしていると、腸腰筋が短く固まってしまいます。
腸腰筋と相対する筋肉は大殿筋なので、神経の相反抑制により、大殿筋はゆるんでしまうのです。
大殿筋は骨盤を後傾させる作用も持っているので、大殿筋がゆるんでしまうと、
骨盤が過度に前傾し、腰痛につながるのです。
大殿筋を活性化するには、ヒッププレスなどが手軽に行えておすすめです👇
ローワークロスシンドロームを治すために活性化してほしい2つ目の筋肉は、腹直筋です👇
大殿筋と同じく、腹直筋も、骨盤を後傾させる作用を担っています。
腹直筋を活性化することで、腰椎を前方に引っ張っている腸腰筋の作用を「中和」し、
骨盤を正しい位置に戻すことができるのです。
腹直筋の活性化にはプランクがおすすめです👇
腹直筋のエクササイズというと、上体を起こすシットアップや、脚を上げるレッグレイズが一般的ですが、
デスクワークにより腸腰筋が短く固まってしまっている方がこのようなエクササイズをすると、
腰椎をさらに前方に引っ張ることになり、腰痛を悪化させるリスクがあるため、注意が必要です。
腸腰筋の柔軟性がある程度獲得できるまで、プランクのバリエーションを中心にトレーニングされることをおすすめします。
1日どれくらい行えば良い?
エクササイズを行う順番は、ストレッチ⇒活性化がおすすめです。
1日最低1回は行い、できれば2回以上行うとより効果的です。
腸腰筋のストレッチは、片側30秒ずつくらいを交互に2~3セット行いましょう。
ヒッププレスとプランクは、組み合わせて行うのも効果的です。
「30秒動いて15秒休む」パターンのサーキットにし、3~5回周り行いましょう。
サーキットのインターバルは、各人の筋力などに合わせ、調節しましょう。
運動習慣の確立で痛みのない元気な身体へ
今回は、
- 活動量の低下が招く「リモートワーク太り」
- 座りっぱなしによる不良姿勢が引き起こす身体の歪みと痛み
- 不良姿勢を改善するためのエクササイズ
についてお話しました。
座りっぱなしでいることは、身体にとって本当に良くありません。
こまめに席を立ち、身体をほぐすことで、整体に通わなくても痛みのない元気な身体を作ることができます。
身体の調子が整い、もっと身体を動かしたくなり、
- シェイプアップしてキレイな身体になりたい
- 筋肉がついた動ける身体を作りたい
とさらに上に行きたくなったら、ケトルベルトレーニングを始めてみませんか?
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